
[契約関係]
Q1事業者は、契約を締結する場合には、契約の相手方が暴力団員であるか否かを必ず確認しなければならないのですか?
A条例では、事業者が事業に関して締結する契約が「暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる疑いがあると認められる場合」に、契約の相手方が暴力団関係者でないかを確認するよう努める旨を定めています(第18条第1項)。
この規定については、努力義務規定であり、例えば、スーパーやコンビニで日用品を売買するなど、通常、一般的に取引の相手方について身分を確認しないような場合についてまで、あえて相手方の確認をするよう求めるものではありません。
Q2契約を締結する場合に、契約の相手方が暴力団員であるか否かを確認する方法について教えてください。
A警察では、暴力団との関係遮断を図るなど暴力団排除活動に取り組まれている事業者の方に対し、契約相手が暴力団関係者かどうかなどの情報を、個々の事案に応じて可能な限り提供します。事業者の方で契約相手が暴力団関係者かもしれないとの疑いを持っているものの、本人に確認することが困難であるような場合などには、最寄りの警察署、組織犯罪対策第三課又は(公財)暴力団追放運動推進都民センターにご相談ください。
Q2の2警察に相談して情報提供を受けるために準備するものはありますか?
A確認を求める契約相手の氏名、生年月日(可能であれば住所)が分かる資料や、お持ちの場合は暴力団排除の特約を定めた契約関係資料、契約相手が暴力団関係者の疑いがあると判断した資料(理由)などを準備してください。
Q2の3警察から暴力団関係者に該当するとの情報提供を受け、契約締結を拒絶する際、警察からの情報に基づくことを相手方に伝えてもよいですか?
A契約自由の原則(契約を締結するか否かを決定する自由及び誰と契約するかの契約の相手方選択の自由)により、拒絶する理由を相手方に説明する義務はありませんが、必要であれば伝えてかまいませんので、情報提供を受けた警察部署に相談してください。
Q2の4警察からはどのような情報を提供してもらえますか?
A事案にもよりますが、相手方が暴力団員か、暴力団員と密接な関係を有する者かなどの情報を提供します。
Q3契約を締結する場合には、必ず契約書に暴力団排除に係る特約条項を設けなければならないのですか?
A条例では、事業者が「その行う事業に係る契約を書面により締結する場合」において、特約条項を書面に定めるよう努める旨を定めています(第18条第2項)。
これについても、Q1と同様、努力義務規定であり、書面により締結する全ての契約について特約条項を定めなければならないというものではありません。
しかしながら、契約の締結後に相手方が暴力団関係者であることが判明した場合において、催告なく解除するなどの対処ができるよう、可能な限り契約書面に特約条項を盛り込むように努めてください。
Q4契約の相手方が暴力団関係者であることが判明した場合に「催告することなく契約を解除することができる」ようにするためには、どのようにすればよいのですか?
A契約を締結する際に契約の相手方から、自己が暴力団員、暴力団関係者でないことを表明する書面(表明確約書※)を徴するようにして、暴力団でないことを確約するよう求めてください。
さらに、この様な書面とあわせて、契約締結後に契約相手が暴力団員等であることが分かった場合には、その契約を解除することができるように、契約書に特約条項を設けておけば、後に相手方が暴力団関係者であると判明したときに、関係遮断を行うことができます。(Q3を参照)
※ 「表明確約書」とは、契約する際に、相手方から現在又は将来にわたって、「自分は暴力団員ではないこと」、「暴力団との関係がないこと」及び「暴力的な要求行為等を行わないこと」を表明させ、これに違背した場合や虚偽の申告をした場合には、無催告で解約に応じ、これによって生じた損害を自分の責任とすることを確約させる文書です。なお、詳しい事項については、(公財)暴力団追放運動推進都民センターのホームページで確認してください。
「表明確約書」の記載例については、こちらからダウンロードすることができます。
(公財)暴力団追放運動推進都民センターホームページ 「暴追東京ねっとわーく Vol.39」PDFファイル
[暴力団関係者等]
Q5暴力団員と一緒にゴルフに行ったり、飲食をしたりしただけで、警察から「密接交際者」として認定されるのですか?
A条例上、暴力団員と一緒にゴルフに行ったり、飲食をしていたからといって、警察がその人を「密接交際者」と認定し、「勧告」や「公表」の措置を講じる仕組はありません。
ただし、暴力団員と密接な交際をしていると、条例上の「暴力団関係者」とされ、都や暴力団排除活動に取り組んでいる事業者と締結する各種契約において、排除の対象となる場合があります。(次のQ6〜Q8参照)
Q6条例に「暴力団関係者」と規定されています(第2条第4号)が、どのような人が「暴力団関係者」に該当するのですか?
A条例において「暴力団関係者」は、「暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」と規定されており(第2条第4号)、「暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」とは、
例えば、
等が挙げられます。
よって、単に次のような状況、境遇等にあるという場合には、それだけをもって「暴力団関係者」とみなされることはありません。
Q7「暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している」とは、どのような場合をいうのですか?
A例えば、次のような場合が挙げられます。
Q8「暴力団関係者」であった場合、何らかの不利益を受けることがありますか?
A都や暴力団排除活動に取り組んでいる事業者と締結する各種契約において、排除の対象となる場合があります。(都との契約においては第7条、事業者との契約については第18条を参照してください。)
ただし、「暴力団関係者」と認められる場合であっても、その事実のみで、条例上の「勧告」や「公表」の措置が講じられることはありません。
Q9「規制対象者」について、どのような人が当たるのか詳しく教えてください。
A「規制対象者」とは、第24条において、事業者による利益供与を禁止する対象として規定されている者で、「暴力団員」のほか、例えば、「暴対法に基づく中止命令等を受けた日から3年が経過していない者」や、この第24条第1項の規定に違反する利益供与をして「勧告」を受けたにもかかわらず、さらに同種の利益供与をして「公表」をされた事業者など、正に「暴力団ともちつもたれつの関係にある者」がこれに当たります。(第2条第5号イ〜チ)
具体的には、以下の者が「規制対象者」に該当します。
○ 暴力団員(同号のイ)
○ 既に暴力団を離脱しているものの暴力団員と変わらない者
○ 暴力団員と認定できないまでも、準構成員等、極めて暴力団員に近い者
○ フロント企業の役員や従業員等
○ 自己の事業のために暴力団の威力を利用する者
Q10「暴力団事務所」とは、どのような場所をいうのですか?
A暴力団事務所とは、「暴力団の活動の拠点となっている施設又は施設の区画された部分」をいいます(第2条第9号)。したがって、暴力団の活動の拠点となっていれば、マンションの一室が事務所である場合だけでなく、組長の住居として使用されている建物であっても、応接間等の区画された部分が暴力団の各種会議に使用されるなど暴力団の活動の拠点と認められれば、その区画された部分も「暴力団事務所」となります。
[利益供与関係]
Q11条例第24条に禁止行為として定められている「利益供与」とは、どのような行為をいうのですか?
A本条にいう「利益供与」とは、金品その他財産上の利益を与えることをいい、例えば、事業者が商品を販売し、相手方がそれに見合った適正な料金を支払うような場合であっても該当します。
ただし、条例で規制される「利益供与」は、暴力団の威力を利用することの対償として行われる場合(第24条第1項)、及び暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなることを知って行われる場合(第24条第3項)に限られます。
Q12どのような行為が、条例第24条第1項に定める「規制対象者の威力を利用する目的で利益を供与する行為」に当たるのですか?
A条例第24条第1項では、事業者が、「規制対象者」に対して、その威力を利用する対価として利益を供与することを禁止しています。
○ 事業者が第24条第1項の利益供与違反になる主なケース
Q13どのような行為が、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資する利益供与違反(第24条第3項)に当たるのですか?
また、違反に当たるか判断に迷った場合は、どうすればよいのですか?
A暴力団の威力を利用する目的で利益供与をする場合(第24条第1項)以外で、「暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなることを知って」規制対象者に利益供与した場合に違反(第24条第3項)となります。
○ 事業者が第24条第3項の利益供与違反になる主なケース
○ 事業者が利益供与違反にならない主なケース
以下のような場合には、利益供与違反には当たりません。
したがって、以下のような行為をしたとしても、利益供与違反にはなりません。
なお、利益供与違反になるかどうか判断に困った場合には、警察に相談してください。
Q14事業者が法人である場合、当該事業者の従業員が利益供与違反をしたときに、誰が公安委員会から「勧告」を受けるのですか?
A事業者とは、事業(その準備行為を含む。)を行う法人その他の団体又は事業を行う場合における個人を言います(第2条第7号)。したがって、事業者が法人であり、その法人に勤務する従業員が利益供与違反をした場合は、当該法人の代表者に対して「勧告」が行われることになります。ただし、各支店や各営業所等がそれぞれの責任と判断において行っている事業に関して、利益供与違反が行われたときには、これらの責任者に対して、「勧告」が行われる場合もあります。
以下のような場合は、支店等の責任者に「勧告」が行われます。
○ 銀行の支店において、支店の敷地の一部を、当該支店長の判断で暴力団事務所の来客用の駐車場として貸し出した場合
[名義貸し関係]
Q15条例で禁止される「名義貸し」とは、どのような行為をいうのですか?
A条例で禁止される「名義貸し」とは、暴力団員が、自らが暴力団員であることを隠す目的であることを知りながら、あなたの名義を利用することを許す行為であり、
において、名義貸し違反となります。
Q16暴力団員から、ホテルの宴会場を借りてくれと頼まれたことから、自分の名前でホテルの予約をしたのですが、この場合、名義貸し違反(第25条第2項)になるのですか?
A宴会場の予約を依頼してきた相手方が暴力団員と分かっていて、相手方の立場(暴力団員)であれば予約ができない(困難である)ことを知っていながら、代わりに自分の名前で、宴会場の予約をした場合には、「暴力団員が自ら暴力団員であることを隠す目的で他人の名義を利用することの情を知って」自己の名義を利用させたこととなり、名義貸し違反(第25条第2項)となります。
また、このような場合、詐欺等の刑法上の罪に問われることもあります。
[適用除外]
Q17勧告の適用除外(自主申告)の具体的な方法について教えてください。
A利益供与違反(第24条第3項)に当たる行為をした事業者や、名義貸し違反(第25条第2項)に当たる行為をした人であっても、その違反した事実について、公安委員会に申告した場合には、条例に規定された「勧告」の措置を免除されるという制度です。
警視庁では、条例施行前に暴力団員等との間で行われた利益供与はもちろん、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資する利益供与や名義貸しについて、勇気を持って申告した都民や事業者に対しては、「勧告」することはありません。
申告先については、警視庁本部の組織犯罪対策第三課特別排除係(島部に在住の方は、各島部警察署の暴力団対策を担当する係)となります。
具体的には、警視庁ホームページにあります「事実報告書」を記載の上、名義貸し又は利益供与の違反事実に関する可能な限りの詳しい資料を用意し、担当者にご相談ください。
警察では、申告された内容と資料を元に事実を確認し、調査を行います。
その後、事実が確認された際には、「誓約書」を記載の上、提出していただき、担当者より受理日時及び受理番号を記載した「事実報告書」の写しが交付され、手続は完了となります。

適用除外の手続が完了となった場合には、条例上の禁止行為違反として責任を問われることはありませんので、是非ともこの制度を活用して、暴力団との関係遮断を図ってください。
[保護対策]
Q18暴力団排除活動を行う場合に、身の安全はどのように守ってもらえるのですか?
A条例第9条において、都が、都民等による暴力団排除活動が自主的に、かつ相互に団結して行われるよう必要な支援を行う旨を規定しており、警視庁では、暴力団と手を切ろうとする都民に対して、暴力団情勢や、暴力団との関係遮断を図るためのノウハウ等を提供したり、助言をしています。
また、第14条では、暴力団排除活動を行ったことにより、暴力団から危害を受けるおそれがある方に対しては、警察官による警戒活動を行うなどの保護措置を講ずることを規定しており、都民、事業者の方々が安心して暴力団との関係遮断を図れるように万全を期していきます。
さらに、第21条においては、暴力団員に対する利益供与を拒絶するなどの暴力団排除活動を行う方に対し、つきまとい等のいやがらせ行為をすることを禁止しており、このような行為が行われた場合には、警察署長が迅速にその行為を中止するように命令し、これに違反した場合には、罰則を科すなど、徹底した取締りができるようになっています。
また、暴力団から何らかの危害を加えられるおそれがある場合には、最寄の警察署に直接相談していただくか、東京都暴力団排除条例専用フリーダイヤルにご相談ください。なお、緊急の場合には躊躇することなく110番通報してください。