先輩の声
大学では工学部で超伝導の研究をしていました。学生の多くがそのまま大学院に進んで研究を続けるという環境の中、昔から胸に秘めていた「凶悪な犯人を捕まえ安全な街をつくることで、社会に貢献したい」との思いが強くなり、警察官を志望しました。犯罪抑止対策本部は、都民の身近に起きる犯罪の発生を抑止するための部署で、現在は特殊詐欺対策に力を入れています。オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺、還付金詐欺といったいわゆる特殊詐欺は、年々増加傾向にあり、深刻な社会問題となっています。私は、その特殊詐欺を1件でも多く減らすため、警視庁管内において発生した特殊詐欺被害の状況や関連情報を分析し、効果的な対策を企画・立案する業務を担当しています。また、分析したデータ等は各警察署と情報共有することで、防犯対策に役立てています。
特殊詐欺の被害は、東京近郊に集中しています。その理由に高齢者の人口が多いこと、「受け子」と呼ばれる、現金やキャッシュカードを受け取る犯人にとって交通の便が良く、移動が容易であることなどが挙げられます。しかしそれは、逆に言えば、東京から特殊詐欺を一掃すれば、国内の特殊詐欺被害を大幅に減少させることができるということです。日々巧妙化する特殊詐欺の手口や発生状況等を分析し、検挙や防犯対策につなげることで、特殊詐欺の被害に遭う人を一人でも多く減らすことに、やりがいを感じています。
仕事をする上で
大切にしていること
特殊詐欺の手口は日々巧妙化しているため、被害状況を素早く把握して分析することが必要です。犯行の手口により有効な対策がそれぞれ異なるため、分析したデータを基に、いかに速やかに対策を実施できるかが重要となります。そのため、常にスピーディかつ的確な分析を行い、効果的な対策を企画・立案するとともに、分析結果を各警察署に還元しています。また、最新の手口等をSNSなどを活用して情報発信することで、都民の方々にタイムリーな注意喚起を行っています。
現在は、主に発生した特殊詐欺の分析や被害を抑止する対策の企画・立案を担当していますが、ここで得た経験や知識を基に、今後は事件捜査に従事する刑事として、更なるステップアップを目指しています。また、訪日外国人の増加に伴い、語学力の習得にも努めています。
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