先輩の声
大学生の頃に、地元が豪雨災害による洪水被害に遭い、私もボランティア活動に参加しました。その際に警察職員の方が被災者支援のために食料や物資を支給する姿を見て、「自分も人の役に立つ仕事がしたい」と思い警察行政職員を志しました。会計厚生係は、警察活動に必要となる物品や装備品の調達、遺失物事務、施設の管理、職員の給与や福利厚生に関する事務などを行っています。私は、遺失物業務を担当しており、警察署に届けられる一つひとつの落とし物を速やかに調査し、遺失届のデータと照合することで落とし主を特定し、落とし物を返還しています。
拾得物は、落とし主にとっては大切な物であると意識しながら業務にあたっています。先日も、学生から音楽活動で使用する機材を電車の中に忘れてしまったという届出がありました。警視庁の拾得物リストと照合しても見つかりませんでしたが、「電車の中に置き忘れてしまった」とのことなので、他県警にも問い合わせをしたところ、拾得物の届出があり、無事に学生に返還することができました。後日、その学生から「親身に対応していただき、ありがとうございました」というお礼の手紙をいただいたときは、やりがいを感じました。富坂警察署には毎月約1,000件もの拾得物が届けられますが、一つひとつを丁寧に取り扱い、落とし主に返還することで、都民の役に立っていると実感しています。
仕事をする上で
大切にしていること
東京ドームが管轄内にあることから、スポーツ観戦やコンサートが行われた日は、多くの拾得物が届けられます。学生証やファンクラブカードといった記名品は、遺失者に連絡して返還できますが、双眼鏡や水筒、洋服などの無記名品は、返還が難しいので、遺失届の検索や落とし主からの問い合わせ等、隅々まで調査し、あらゆる要素から落とし主を特定して返還するよう努めています。拾得物は、落とし主の方が大事にしている物なので、速やかに返還できるよう、常に相手の立場に立ち、親身になって接することを心掛けています。
常に都民の心情を察知し、寄り添うことができる警察行政職員になりたいと思っています。今後は昇任試験に合格して、後輩や部下に的確なアドバイスを行い、しっかり指導できる上司を目指していきたいです。
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