Professional Episode

EPISODE01

平成最悪の豪雨災害。
人命救助・捜索の
プロフェッショナルたちが動いた。

平成30年7月。西日本を中心に発生した記録的な大雨は、河川の氾濫や家屋の浸水害、土砂災害を引き起こし、200名以上が犠牲となる平成最悪の豪雨災害となった。後に「平成30年7月豪雨」と命名された未曽有の災害に見舞われた広島の地で、警視庁が誇る災害救助のプロフェッショナルたちによる懸命な救助活動が行われた。

PROJECT MEMBER

災害対策課
特殊救助隊 実施班

警備二課
警備装備第三係

第三機動隊
特殊技能係

全国警察初の
救出救助専門部隊のプライド。

訓練の厳しさは
災害地で過酷さに
負けない力になる。

被災地の惨状にうろたえるな。
冷静でなければ命は救えない。

何万キロ離れていても、
要請があれば
人命を救いに行く。

経験ある警備犬には若手隊員。
まだ若い警備犬にはベテラン隊員。
犬とハンドラー、互いの持ち味を活かせ。

迅速に、安全に、シンプルに。
人を助けたいなら、徹底しろ。

俺が笑顔で励まさなければ
住民に笑顔は戻らない。

01

警視庁への応援要請。
一分一秒でも早く、現場へ。

7月7日早朝、広島県警察から警察庁を通じ、警視庁へ応援要請が入った。任務は広島県広島市安芸区での災害救助活動。直ちに災害対策課の特殊救助隊、警備第二課の警備犬部隊、そして第三機動隊に出動命令がかかった。早朝の出動命令だったが、どの部隊も出動準備は万全だった。連日の大雨による被災状況に気を配り、いつ出動命令があっても対応できるよう、準備を進めていたからだ。一分一秒でも早く、現場へ。数々の過酷な災害現場で活動してきたからこそ、被災者が一刻を争う状況に置かれていることは分かっていた。出動命令からわずかな時間で人員、資器材等の準備を終え、それぞれの部隊が広島に向け出発した。

02

水と土砂に覆われた町。
孤立した住民を救出せよ。

7月8日早朝、現場である広島市安芸区矢野東町に先着した特殊救助隊を待っていたのは、衝撃的な光景だった。土石流や土砂崩れにより家屋や車が土砂に埋まり、本来道路であるはずの場所は濁流に飲まれていた。特殊救助隊員らは瞬時に現場の深刻さを把握し、救助活動を開始した。町に取り残された被災者を救助するには、濁流の中を横断しなければならなかったため、手すりの役目となるロープを張り、そのロープを伝って被災者を一人ずつ救助することにした。救助の途中、濁流に飲まれそうになり恐怖に足がすくむ人もいたが、特殊救助隊員の確かな技術と力強い激励が被災者を支え、その場に取り残された被災者全員を無事救助することができた。

03

鍛え抜かれた隊員、警備犬の能力と
最新機器を用いた捜索活動。

第三機動隊の屈強な隊員90名はそのマンパワーとチームワークを活かし、悪環境をものともせずに土砂を排除し、要救助者の捜索を行った。また、警備犬アレー号とウィル号は、優れた嗅覚や聴力を活かして捜索を行う一方、他府県警察からの要請を受け、警視庁が担当する地区以外でも捜索活動を行った。

この災害現場では、最新機器も導入された。特殊救助隊はドローンを利用して上空から被災状況などについての情報収集を行い、警備犬部隊は小型カメラやマイクを犬に装着させる探索システムを初めて導入し、人間では入れない潰れた家屋等にも警備犬が入ることで中の様子が確認できるようになった。災害現場での捜索活動には、常に二次災害に遭う危険がつきまとうが、最新機器の導入により、安全を確保しながら、迅速かつ効率的に捜索が行われた。

04

プロフェッショナルたちの
終わりなき使命。

7月10日、広島県安芸郡府中町で榎川が氾濫したと特殊救助隊へ応援要請が入った。現場へ急行すると、町全体が腰の高さほどまで浸水していた。ロープによる救助活動は困難と判断した特殊救助隊員らは、ボートによる救助を開始。迅速かつ慎重に、被災者をボートで救出していった。過酷な現場でも疲れを見せることなく、「もう大丈夫です。安心してください」と励ましながら救助する特殊救助隊員らの姿は、被災者の不安や恐怖を和らげていった。

その後も、第四機動隊、第八機動隊などが順次派遣され、7月7日から17日までの11日間活動し、計18名の被災者を救助することができた。

自然災害は、いつ発生するか分からない。だからこそ、日々心・技・体を鍛錬し、いつでも最大の「現場力」を発揮できるよう、今日も厳しい訓練に臨んでいる。