プロジェクトストーリー

職種紹介

Professional Episode02

広域連続自動車盗事件の
犯行グループを検挙せよ。

平成27年8月頃から、都内及び隣接県下でワゴン車ばかりを狙った
連続自動車盗事件が発生していた。犯人に関する情報はほとんどなかったが、
使用車両や犯行の手口から、いずれの事件も同じグループによる犯行の可能性が高いと判断。
犯行グループを一網打尽にするため、平成28年5月、
滝野川警察署に共同捜査本部が設置されることになった。

PROJECT MEMBER

  • 捜査第三課 第四盗犯捜査第七係
  • 捜査第三課 第四盗犯捜査第七係
  • 滝野川警察署 盗犯捜査第一係

01

犯行グループの
足取りを掴む

滝野川警察署に設置された共同捜査本部に、捜査第三課の捜査員をはじめ、事件の発生場所を管轄する滝野川警察署や牛込警察署などから捜査員が集結。犯行グループの足取りを掴む捜査が開始された。犯行現場周辺の防犯カメラの映像を細かく解析した結果、犯行グループは深夜、車で都内に入りターゲットとなる車を物色。その後、工具でドアをこじ開けて車に乗り込み、2台で現場から逃走していたことが判明した。また当初、犯行後の足取りは不明だったが、捜査員たちが粘り強く、逃走した可能性のある道路上の防犯カメラ画像の収集・解析を繰り返した結果、逃走経路が次第に明らかになっていった。

02

他県に潜む
犯罪者を割り出す

その後の捜査により、犯行グループは茨城県内に潜伏していることが判明した。しかし、都内と比べ、茨城県内は防犯カメラの設置台数が少ない上、犯人たちは防犯カメラの少ない場所を選んで潜伏していたため、アジトの特定は困難を極めた。そこで、複数の捜査班に分かれ、犯行グループが潜伏している可能性がある地域の駐車場を対象に止まっている車を一台一台しらみつぶしに調べて回り、犯行に使用された車の捜索を行った。そうした地道な捜査を続けた結果、ついに目当ての車を発見。犯行グループの人数やアジトが判明した。
また、被害品の処分先も明らかになった。盗まれたワゴン車は、千葉県内に所在する自動車解体業者に持ち込まれていたのだ。ここで盗難車を分解し、別に用意された事故車と組み合わせることで、製造ナンバーが事故車のままの車に作り替え、それを海外に輸出していたのだ。
ようやく、一連の事件の全貌を把握することができた。しかし、逮捕状請求に向け、裏付け捜査をしていた最中、犯人たちが忽然と姿を消した。捜査員たちに緊張が走った。

03

徐々に狭まる
捜査の包囲網

犯人たちは彼らの捜査に気付いたわけではなかったが、捜査の手が及ばぬよう、アジトを転々としていた。そのため、アジトを特定し、裏付け捜査を進めていっても、すぐにまたアジトを変えるという、堂々巡りとなっていった。しかし、捜査員たちの犯人検挙への思いは少しも弱まることはなかった。
獲物を仕留める獣のように、捜査の気配を匂わせず、しかし確実に、その差を縮めていった。そして、平成28年10月25日。実行犯4名と自動車解体業者を一斉に逮捕し、後にもう1名を逮捕した。解体業者は日本人だったものの、自動車盗の実行犯は外国人だった。その後の取調べで、ほとんどの犯人は素直に自供した。しかし、実行犯の一人は、逮捕直後から黙秘を続けていた。

共同捜査本部 関係図

04

犯人の心を解きほぐす、
粘り強い取調べ

捜査第三課は、警視庁における盗犯捜査のスペシャリストが集まっており、様々な犯人の取調べを経験しているが、黙秘を続ける犯人、しかも外国人ともなると、その取調べは困難を極めた。しかし、そこは百戦錬磨の捜査員である。相手の心情を読み取り、粘り強く取調べを続けた結果、黙秘を貫いていた犯人も、徐々に自分の生い立ちや家族のことを話し始めた。そしてその声に耳を傾け、犯人の心を解きほぐすように情理を尽くした取調べを続けた結果、逮捕から20日目、ついに最後の犯人が自供した。犯行グループが関わった事件は予想以上に規模の大きなものだった。主に関東圏の広域にわたって発生した自動車盗など数百件に関与、被害総額は数億円にも上ったこの一連の事件は、ニュースにも大きく取り上げられた。事件を解決に導いたもの、それは捜査員たちの「粘り」だった。土地勘のない他県での地道な追跡捜査。捜査員一人ひとりが「絶対に犯人を逃がさない」という強い執念と、刑事としてのプライドを持っていたからこそ、事件を全面解決に導くことができたのである。